インプラント処置を行う場合に、気をつけなければならないことがあります。
一つは全身状態です。
全身状態が不良な場合は当然難しくなります。糖尿病などです。
また、インプラントの場合には、喫煙者は気をつけなければなりません。
全身状態の不良とは違いますが、治り方や成功率・骨のでき方に影響がでます。
もう一つは骨があるかです。
インプラントは骨と結合して噛む力などを受けるわけです。
インプラントを入れる部分の骨の幅や高さが重要になります。
当然、長いインプラントを入れたほうが安定はよくなります。
N.Hさんの質問にありましたように骨が薄い場合はどうするかです。
ここが難しい点です。
鋭い質問をいただきました。
壁に釘を打って絵などを掛ける場合を考えてください。
壁が厚くて硬い時は、何の心配も要りません。
薄い場合は、壁の上に板を張って、補強してから絵を掛けます。
それができない場合は、釘を工夫してネジをボンドでとめるとか中で広がるものなどを使います。
インプラントでも同じです。
補強の板に当たるのが移植骨です。
これは、顎の先端部や顎の後ろや腰の骨からブロック状で持ってこなくてはなりません。
板のように簡単にはいきません。
これが、ブロック骨移植です。
日本人は、西洋人に比べて骨が薄い場合が多いと思います。
それでは、釘の形態などの改良しかありません。
初期のインプラント体は、ただのネジの形をしていました。
それを深く入れていました。
それが悪いわけではありません。
骨が薄い場合に困るのです。
それで、インプラント体の表面を凸凹にして表面積を増やして、骨と結合する面積を増やす試みがなされました。
現在では、ほとんどのインプラントがこのタイプです。
各社、凸凹の仕方や形態を競っています。
ボディ部は基本的にチタンです。
現在では、ボディがチタンではないものは、ほとんど無くなりました。
チタンではあまり変化がでないと思ったメーカーは、表面に骨と同じ成分のセラミックを吹き付けました。
これが、ハイドロキシアパタイト(HA)コーティングです。
理論的には、骨はチタンよりHAにより密接に結合します。
この点を期待したわけです。
しかし、一部で非難を受けました。
スペースシャトルと同じです。
HAの外壁がチタン表面から剥離する点です。
もう一点、チタンの表面にコーティングする際に、HA自体が変性して劣化してしまう可能性です。
しかし、今では技術の進歩で、各社かなりよくなっているようです。
事実、以前はかなり粗悪なHAコーティングの製品があったそうです。
マツモト歯科クリニックでは、基本的にHAコーティングのものを使用しています。
理由は、厳しい条件の時に、骨と結合しやすいからです。
これは、基礎実験でも、臨床的研究でも、私の経験からも確信しています。
長く書きすぎました。
次回はもっと具体的にN.Hさんの参考になるようにします。


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